スタグフレーションが起きた時、どのように投資するか

資産運用

新型コロナウィルスの影響により株価が大暴落し、世界各国が大規模な金融緩和政策を行っています。ウィルスは、いつかは収まると思いますが、限界まで金融緩和されたその後の世界はどうなるのかが心配です。

世界が今後リセッションにおちいる事はほぼ間違いありません。その状況の中でインフレ率が大幅に上昇する事はないのでしょうか?万が一そうなった場合には資産をどこに置いておけば逃げ切れるのでしょうか?

ただ恐れていてもしょうがないので、不景気の物価高であるスタグフレーションとその時の投資手段について考えてみました。

スタグフレーションとは?

スタグフレーションとは、経済の減速・後退とインフレが同時に起こる事です。通常であれば、矛盾した状況と言えます。なぜなら、インフレは需要が供給を上回った時に起こるので、経済が減速し、消費が落ち込んでいる時には起こる可能性が低いからです。

ですが、実際にはこの矛盾した状況は過去に起きています。それは1970年代のオイルショックの時です。1973年10月にOPECは、西側諸国に対し、原油の禁輸措置を発行しました。これをきっかけとして原油価格が上昇し、様々なものの価格が上がりました。

スタグフレーションを確認する指標

スタグフレーションの2つの要素のうちの1つはインフレーションです。

投資家が物価の状況を確認したい場合、生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)を見る事で確認できます。

PPIは、商品・サービスの国内生産者が受取る販売価格の平均の変化を表しています。PPIは商品やサービスの生産コストが上がっているのか下がっているのかを示しています。

CPIは、消費財とサービスのバスケットの加重平均の変化を表しています。CPIは消費者物価が向かっている方向を示しており、米国では、通常の場合、2%未満で推移します。

スタグフレーションの要素のもう一つは、スタグネーション(経済停滞)です。

これは、GDPや失業率の変化を観察する事で確認する事ができます。1970年代のオイルショックの時は、5四半期にわたりGDPの成長率はマイナスとなり、失業率は9パーセントまで上昇しました。

なぜスタグフレーションは起こるのか?

なぜスタグフレーションが起こるかについては様々な説があり、確立された理論はないようです。

その一部を紹介すると、サプライショックを原因と考えるものがあります。オイルショックのようなエネルギーコストの増大や、気候変動による食物のコストの増大などです。

その他には、金本位制の終了が原因となっているとの説もあります。金の裏付けのなくなった法定通貨システムの下で1970年代以降、経済停滞が起きている期間でさえも持続的にインフレが起き続けていると。

また、急激なマネーサプライの増加を原因として、供給できる財やサービスに対して過剰な資金がある場合にスタグフレーションが起こる可能性が指摘されています。もし今後、スタグフレーションが起こるとしたらこの原因が濃厚です。なぜなら、コロナショックへの経済対策として政界各国が大規模な金融緩和政策や財政政策を行おうとしています。

スタグフレーションが起きた時にどのように投資するか

スタグフレーションが起きている間に、インフレ率よりも利回りが低いところにお金を置いておくと、それだけで実質的に資産が目減りしてしまいます。

預金口座などの低利回りな口座はインフレ時には資産を守る事ができません。

となるとある程度のリスクをとって株式投資を行うという事は、選択肢の一つになってくると思います。ただ、株式投資は損失が生じるリスクも高いため、過去のスタグフレーションの時に安定した成績を上げている業種の株をウォッチしておくといいかもしれません。

スタグフレーションの時に好成績を残している業種は、ヘルスケア、食料品、エネルギー、生活必需品等の業種です。

これらの業種はスタグフレーションになっていたとしても購入を控える事が出来ない業種です。逆に、エンタメ、高級ブランド、自動車などの購入を控える事ができる業種についてはスタグフレーションに時にはいいパフォーマンスは期待できません。

まとめ

今後、スタグフレーションが実際に起こるかはわかりません。しかし、もし起こった時にどうするかを考えておくことはすべての投資家にとって適切な避難を行う助けになる事は間違いないと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました