ヘルスケアセクターにまとめて投資する

資産運用

ポートフォリオを構築する上で、攻めとなる投資と守りとなる投資を組み合わせる事は重要です。

今回は守りに対応する投資としてヘルスケアセクターに投資するETFを紹介したいと思います。

ヘルスケアセクターの将来性

ヘルスケア産業はほとんどの先進国でGDPの10%以上の規模があります。米国においては2019年にGDPの18%に達しています。また近年、ヘルスケア産業に投資する上で考慮すべきポジティブなトレンドがいくつかあります。高齢化、高齢化に伴う慢性疾患患者の増加、食生活の変化による肥満と糖尿病の流行、テクノロジーの発達、疾病の世界的な流行などが挙げられます。高齢化というトレンドは基本的に急に変わる事はないので、ヘルスケア市場が今後拡大していく事は疑う余地はありません。

一方で、ヘルスケアセクターに投資する上で気を付けておくべき事もあります。ヘルスケアセクターの中で代表的な業種のひとつに製薬企業がありますが、製薬企業は新薬の開発のために多額の研究開発費を使います。しかし新薬の開発というのはとても難しいので実際に新薬ができる打率は非常に低いです。このため、個別の製薬企業に投資するのはリスクは高くなります。

こういったリスクを分散するためにも幅広くヘルスケアセクター全体にエクスポージャーできるETFは効果的だと思います。

ヘルスケアETF

ヘルスケアETFの代表的なものとしてHealth Care Select Sector SPDR Fund(XLV)があります。

XLVは米国株式の総合的な指数であるS&P500指数に組み込まれているヘルスケアセクターの株を取りだして構成されています。構成銘柄数は約60ぐらいです。なじみのある有名な企業で言うと、ジョンソンアンドジョンソン、ユナイテッドヘルス、ファイザーといったところが組み込まれています。これらの企業が規模に応じてウェイト付けされいます。このため大型株への偏りがあり、前述の3銘柄だけでポートフォリオの約22%を占める事になります。しかし主要なヘルスケアセクター企業にある程度分散してエクスポージャーを置きたいという投資家にとってはXLVは十分な役割を果していると思います。

XLVのパフォーマンス

コロナショック発生前から直近2022年6月までのパフォーマンスをXLVとS&P 500と連動しているETFであるSPYとを比較してみたいと思います。

2020年3月のコロナショックの時や2022年に入ってからの下落相場局面においてはSPYよりXLVの方が相対的にいいパフォーマンスをしています。逆に2021年の上昇相場局面ではXLVはSPYに劣っています。このような特徴を考えると、ディフェンシブ銘柄としてポートフォリオの一部にXLVを組込む事は意味があるのではないかと考えています。

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