S&P500指数をショートできるインバースETFの紹介

資産運用

インバースETFとは

インバースETFとは、ETFを空売りするのと同じ効果が期待できるETFです。対象となる指数が下落した時にインバースETFは価格が上昇するように設計されています。

このため、「ショートETF」や「ベアETF」と呼ばれたりもします。このインバースETFは、先物取引などのデリバティブ取引を利用する事により市場が下落したらそれとほぼ同じパーセンテージで価格が上昇するようになっています。

ヘッジ目的に使う

インバースETFを購入する目的は、主に二つあります。一つは、将来の市場の下落を予想する場合に、その下落から利益を得る事を目的としてインバースETFを購入する場合です。この場合は、インバースETFを単独で購入する事になります。

もう一つは、市場の下落のヘッジ手段として購入する場合です。

私は、主にヘッジ手段として使用しています。例えば、いま私がアマゾン株の購入を検討していたとします。その時、私はこのように考えたとします。

「アマゾン株はだいぶバリュエーションが高くなってきてしまったとは言え、まだまだ市場平均をアウトパフォームするような潜在能力はありそうだ。ただ、米国株式市場全体に過熱感があり、いつ市場全体が下落局面に入ってもおかしくない」

こんな時に、アマゾン株を購入すると同時に、同額のS&P500指数と反対に連動するインバースETFを購入します。これによりアマゾン株を購入し、同時にS&P500を空売りしたのと同じ状態になります。

すると、アマゾン株が市場をアウトパフォームした分だけが利益となり、逆に、アマゾン株が市場をアンダーパフォームした分だけが損失になります。

たとえ市場が50%、60%の大暴落をしようとアマゾン株がS&P500をアンダーパフォームした分だけが損失になるので、大損をする事はありません。大きな利益を取る事は難しいですが、致命的な損失を被る事もない、ビビりには最適なペアトレードです。

【SPXS】S&P500のインバースETF

それでは、S&P500指数のインバースETFを一つ紹介します。

SPXSというETFはS&P500指数の動きの3倍の反対の値動きを提供するETFです。つまりS&P500指数が10%下落したら、SPXSは30%上昇するという事です。このETFを利用する事で、通常の3分の1の資金で前述したヘッジができる事になります。

CFDとどっちがいい?

ヘッジ手段としてインバースETFを使う方法を紹介してきましたが、同様の効果を得る事ができる金融商品としてCFDというものがあります。

こちらは、少ない証拠金で、S&P500指数等の売り取引ができるため、ヘッジをする場合に多くの資金を拘束されないという点で有利です。

ただし、弱点がありまして、それは税金面の話です。

前述の個別銘柄と指数のペアトレードを行う場合、取引の決済は同じタイミングで行い、それぞれの利益と損失が相殺された残りが最終的な純利益、純損失になります。

しかし、税金計算上は、株式取引とCFD取引の損益は相殺する事ができないので、例えば株式取引の方で利益が出ていたら、CFD取引の方で出た損失と相殺する前の利益全額に税金がかかってしまうのです。

この弱点は、買いの個別株取引の方もCFDで行う事で回避できます。買いの取引もCFDにする事によって買いも売りもCFDによる取引になるのでそれぞれの損益を税務上も相殺できるようになるからです。

ただし、私が主に取引をしている米国株の個別株を対象にしたCFDができる会社はそんなに多くはありません。

GMOクリック証券サクソバンクが有名です。特にサクソバンクは取り扱い銘柄数がダントツで多いです。

また、CFDを使わずに先ほど紹介したインバースETFでヘッジするのであれば、個別株もインバースETFも両方が株式取引に該当しますので、それぞれの利益と損失を相殺したあとの純利益に対して税金がかかる事になります。

ただし、確定申告をする必要はあるのでめんどくさいと言えばめんどくさいです。

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