資産バブルの崩壊によるリセッション

資産運用

コロナウィルスによる経済ショックは今後、世界的なリセッションへとつながっていく事は、ほぼ間違いありません。

一方で、ウィルスが収束すれば経済はV字回復し、各国が大規模な経済対策を実施している事もあり資産バブルが起こるのではないかという意見もあります。

そもそも、コロナショック以前の上昇相場が、すでにバブルであった気もしますので、それを上回る資産バブルが来るという事なのでしょうか。

どうなるかは誰にもわかりませんが、過去の歴史から学んで備えておこう、という事で、過去のバブルとそれにより引き起こされたリセッションについて紹介します。

バブルの特徴

バブルの重要な特徴の一つは、ファンダメンタルの裏付けがなく資産価格が上昇していくという事です。株式で言えば、企業の業績が改善していないにも関わらず株価だけが上昇するような状況です。

この状況では、PER(株価収益率)が上昇していくという特徴があります。PERの計算式の分母が増加しない状態で分子だけが増加しているからです。

バブルは最終的に、懸念されていたいくつかの事柄のうちのどれかがトリガーとなり、その結果、はじけます。トリガーとなるのは、急激な需要の減退の事もあるし、経済の別の領域での減速が該当する商品の資産バブルにも影響を与えてはじける場合もあります。

1920年代のバブルと大恐慌

1920年代に始まったバブルのきっかけは、政府のリセッション対応からでした。

政府は景気を改善させるためにマネーサプライの増加や、利下げなどの金融緩和を行い借入を促進させました。

政策はとても機能しましたが、逆に機能しすぎた面があったかもしれません。個人と企業はともに多くの負債を負ってレバレッジを利かせた経済活動を行い、株価は上昇していきました。

しかし、楽しい時間は長くは続きません。1929年までに徐々にほころびが見え始めました。それを早めに感じた投資家たちが先回りして利益確定し始めました。

まもなく大規模な暴落が訪れました。銀行は取り付け騒ぎを起こし、いくつかの大きな銀行が破綻しました。

これがアメリカ史上最大の経済危機でありますが、その前には、このようにバブルが発生していました。そしてバブルのきっかけが政府の過剰な金融緩和を原因としているという事で、どこか現在の状況と似ているという事ができるかもしれません。

ドットコムバブルとリセッション

インターネットは私たちの生活やビジネスを大きく変えました。90年代のドットコムバブルの時期は、グーグル、ヤフー、アマゾンのように現在では、巨大に成長した世界を代表する企業が設立された時期です。

一方で、なんとかドットコムという会社名を付ければ株価が上がっていたような時代でもありますので、実際には長期的なビジョンや中身のない企業も多くでてきました。

投資家はドットコムバブルに夢中になっており、中身も見ずに期待感のみで株を買っていました。

2000年3月に多くのテック企業銘柄があるナスダックは大きく売られ、ドットコムバブルは、はじけました。この時のリセッションは、経済全体に影響を及ぼすほどのものではありませんでしたが、テック業界にとっては壊滅的な打撃となり、カリフォルニアのベイエリアでは失業率が跳ね上がりました。

2000年代の不動産バブルとリーマンショック

2000年代の不動産バブルの主な要因は低い金利と貸出基準の緩和でした。

サブプライムローンと言われるリスクの高い住宅ローンが証券化され、バブル崩壊とともにそのような高リスク証券で運用していた大きな銀行がつぶれました。リーマンショックという名前のもととなるリーマンブラザーズが代表的です。

当時の住宅ローンの貸出基準は恐るべきもので、貸し出しの審査において通常は必ず確認するはずの収入や保有資産、就労状況に関する確認が必要のないローンまであったそうです。

まとめ

過去の大きなリセッションの前にはバブルが起きていたことがわかりました。

今回のコロナショックの前にも株価は日々最高値を更新し、一部の人の間ではバブルではないのかとの声もありました。数年後にはそれがバブルだったのかどうかがわかるかと思います。

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