オプションの時間価値(タイムバリュー)の重要性

資産運用

オプション取引において時間価値(タイムバリュー)とは、オプションプレミアムの価格を構成する二つの要素のうちの一つです。時間価値(タイムバリュー)以外のもう一つの要素は本質的価値と呼ばれます。つまりオプションプレミアムは本質的価値と時間価値(タイムバリュー)の合計となります。

オプションの売買価格はオプションプレミアムと呼ばれます。この金額で、特定の株を「買う事ができる権利」や「売る事ができる権利」を売買します。そしてこの価格は常に変動しています。オプションプレミアムの時間価値以外の構成要素である「本質的価値」とは、原資産価格(オプションの対象になっている資産、例えば株式)とオプションの行使価格の差です。そしてオプションプレミアムの残りの部分はすべて時間価値(タイムバリュー)です。

これを式で表すと下記のようになります。

オプションプレミアムー本質的価値=時間価値(タイムバリュー)

例えば、A社株が現在1000ドルで取引されているとして、この時の950ドルコールオプションが53ドルで取引されているとします。950ドルコールは950ドルでA社株を買う事ができる権利なので、この権利を行使して、その後すぐに1000ドルでA社株を売却すれば50ドルの利益を得る事が出来ます。この50ドルがオプションの本質的価値です。そして、950ドルコールオプションは53ドルで取引されているので、53ドルと50ドルの差額である3ドルが時間価値(タイムバリュー)という事になります。

この時間価値は、原則として満期までの時間が長いほど大きくなります。これはシンプルに長い時間的猶予がある方が、原資産が目標とする価格に到達するチャンスが大きいからです、逆に満期までの時間が短ければ、原資産が目標とする価格に到達する潜在的なチャンスも少なくなるので、投資家がそのチャンスに対して支払ってもいいと考えるプレミアムは少なくなるでしょう。

一般的には、オプションは1/3の時間価値(タイムバリュー)を最初の半分の期間で失い、残りの2/3の時間価値(タイムバリュー)を後半の半分の期間で失います。つまり、満期が近づくにつれて時間価値(タイムバリュー)の減少は加速していきます。

オプションの売りは時間価値(タイムバリュー)をお金に変える

多くの人がオプション投資を始める時、最初にコールやプットの買いからはじめます。なぜなら、わずかな資金で始められるし、リスクは限定され利益は無限大だからです。しかし、効率的に前述した時間価値(タイムバリュー)の減少を利益に変える方法があります。それはオプションを売る事です。オプションの買い手はタイムディケイ(時間価値の減少)で損をしますが、オプションの売り手はタイムディケイで利益を出します。まさに時は金なりです。

オプションの時間価値(タイムバリュー)の構成要素は、ボラティリティを無視するならば①満期までの期間の長さ②オプションの行使価格と原資産価格の近さ、の二つの要素です。

他の要素が一定であった場合、満期までの時間の長さが短くなればなるほどオプションの価値は減少していきます。つまりオプションの売り手の利益になります。そしてこの減少していく率は一定ではありません。満期日が近づくにつれて加速していきます。

このためオプションの売り手はオプション価値の減少にアクセルがかかる手前でオプションを売る事で効率のよい投資をする事ができます。オプションは通常、満期日までの最後の一月に急激に価値の減少率に拍車がかかります。

まとめ

オプションの売りは、リスクの高い取引であるため、高いレバレッジをかけて取引すると危険な側面もありますが、うまく使えばある程度計算できる収入を得る事ができるツールにする事ができるので私は使っています。

日本で、米国の個別株やETFのオプション取引ができるのはいまのところサクソバンク証券だけだと思われます。

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