【株価分析】PERと株価の間にある関係、過去の推移から現在を検討

資産運用

株価を分析する上で、よく聞くのがPERという指標。

ここでは、株価とPER(株価収益率)の関係を説明し、PERやについて過去の推移も見ていきたいと思います。

株価とPERの関係

株価とPERという異なる二つの指標は、お互い連携する事で、投資家が株式の価値を評価するのに役に立つ洞察を提供します。

株価

これはみなさんもご存じかとは思いますが、単純に今現在、特定の株を購入するためにかかるお金の額です。

株価は様々な要因に基づいて変動します。

例えば、企業の将来収益にポジティブな影響を与えそうなニュースやプレスリリースが発表されれば、投資家はその企業の収益性について楽観的になり、株式の需要は増加し株価は上昇します。

逆に、収益に対してネガティブな情報が発表されれば、株価は一気に下がる事もあります。

PER(株価収益率)

PERは企業の株価と一株あたり利益の間の関係を測定する指標です。

特定の企業の株価を一株当たり利益(EPS)で割る事によって計算されます。

一株当たり利益とは企業の純利益を発行済み株式総数で割る事で計算されます。

例えば、企業の利益が10億円で発行済み株式数が400万株であった場合の一株当たり利益の計算は以下の通りとなります。

10憶円 ÷ 400万株 = 250円/株

そして、その企業の株価が現在、3500円だった場合、PERは以下の通りとなります。

3500円 ÷ 250円 = 14倍

株価とPER

PERは株価と利益の倍率ですから、言い換えれば、投資家が1円の収益に対して何倍支払ってもいいかという額とも言えます。

PERは将来の企業の成長可能性に対する洞察を提供します。

一般的に、高いPERは、投資家がその企業に対してより高い収益を期待している事を示しています。だからPERが高い企業はPERが低い企業よりも将来的に期待できる企業なのかというと、必ずしもそうではありません。

高いPERは株式が過大評価されている可能性もあるからです。企業がその高い期待に応えるような収益を出せない場合には株価は下落し、損失を出してしまう可能性があります。

このような将来の成長期待が高く、割と高めのPERの株に投資する事をグロース株投資といいます。グロース株投資に関して詳しく知りたい方は「個人投資家がグロース株を見つける方法」をご覧ください。

一方で、低いPERの企業は株式が過小評価されている事を示しています。投資家は過小評価された株式を割安で購入する事ができます。そして、株価が上昇した時に利益を得る事ができます。しかし、低いPERは、本当にその企業の成長可能性が低く妥当な評価である可能性もあるため注意が必要です。

PERの水準については、個別株の購入を検討するのであれば、その企業が属する業種における類似企業のPERを確認する事で、その企業の株が過大評価されているのか過小評価されているのか把握する事ができます。

また、市場全体のPERの水準を過去の推移を基にして大まかに把握しておくことで、現在の株式市場が過熱気味なのか、過剰なリスクオフなのかの当たりをつける事ができます。

下記はアメリカのS&P500指数のPERの過去の推移ですが、リセッション後の極端な値(例えば2009年のリーマンショック後の値のような)を除けば概ね25倍くらいまで行くとちょっと過熱ぎみかなというところかと思います。2020年1月現在で24.41倍という事で、過熱気味な水準に徐々に近づいてきているところかなと思います。

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